【徹底解説!】グラミー賞の歴史と概要や、腐敗しつつある選考基準

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グラミー賞の概要と人種差別疑惑

名前の由来は蓄音機の発明家?

グラミー賞とは、ザ・レコーディング・アカデミーが主催する、世界で最も権威のある音楽賞の一つです。

アメリカの音楽業界において、優れた作品を作り上げたアーティストに贈られるために毎年行われている賞です。過去に様々な会場で授賞式が行われていましたが、2004年からロサンゼルスのステイプルズ・センターが恒久的授賞式会場になりました。授賞式では著名なアーティストによるパフォーマンスも見もので、全米をはじめとする世界の多くの国でその模様が放映されています。

ちなみに「グラミー」という名前は、エミール・ベルリナーが発明したレコード蓄音機に因んで名付けられたものです。

レノックス
レノックス

だからグラミー賞のトロフィーは蓄音機の形をしているんだね!

1959年5月4日に第1回グラミー賞が開催され、このグラミー賞に啓発されて同年度より日本でも日本レコード大賞が創設されています。

その後1997年にはラテン・ミュージック部門を充実させるため、ザ・ラテン・レコーディング・アカデミーを設立し、2000年よりラテン・グラミー賞がスタートしました。

2011年にはグラミー賞のカテゴリーが大幅に見直され、109部門が78部門に削減されました。カテゴリーにより合併されたり、削除されたり、名称の変更が行われています。

受賞者はザ・レコーディング・アカデミー会員の投票によって決められるのですが、1回目の投票でノミネート作品が選考され、2回目の投票により正式に決定するという仕組みです。

しかし、曲の売り上げが良くてもグラミー賞にノミネートされるわけではなく、年間第1位の曲でも受賞を逃すことがあるため、その選考基準に対し批判や疑惑の声も多く上がっています。

こんな賞いらない!ボイコットするアーティストも

受賞者も、受賞を逃したアーティストも、ともに納得がいかない結果に終わることも多いグラミー賞ですが、特に批判の声が多く上がっているのが人種差別問題です。

特にR&Bやラップなどのカテゴリーで、実力と実績があるにもかかわらず受賞をたびたび逃している黒人アーティストが多いことに対し、黒人差別の疑惑が上がっているのです。

2015年にはR&B歌手のビヨンセが受賞最有力候補と思われていたにもかかわらず、ロックミュージシャンのベックが受賞し、ベック自身も「ビヨンセが受賞すると思っていた」と結果に疑問を呈していました。

その後の2017年にも、ビヨンセのアルバム「Lemonade」が前作以上の高い評価を受けていたものの、アデルが受賞者に選ばれ、ビヨンセの友人でもあるアデルは「この賞を受け取ることはできない」と涙を流しながらスピーチをしました。そして、その後の取材で「彼女が最優秀アルバム賞を受賞するために、これ以上なにをしなくてはいけないわけ?」と批判したのです。

レノックス
レノックス

ビヨンセはグラミー歴代最多受賞者なのに、一度も最優秀アルバム賞を受賞してないなんて、やっぱり変だよね?

ビヨンセ以外にも、ケンドリック・ラマーニッキーミナージュマライアキャリーなど受賞確実と思われていたヒップホップアーティスト達が賞を逃しているため、ますます黒人差別の疑惑が高まっていくことに。

そしてレコーディング・アカデミーへの不信が高まる中、アーティストとの対立をより深めるきっかけとなったのが、ザ・ウィークエンドです。2020年度の最大ヒット曲「Blinding Lights」が収録されたアルバム「After Hours」は、2021年度グラミー賞主要部門の最有力候補とみなされていたものの、まさかのノミネートゼロという結果に終わったのでした。

レノックス
レノックス

2020年の最も売れた曲に選ばれたのに、グラミー賞にノミネートされないなんて、やっぱりおかしいよね?

その背景には、ウィークエンドがグラミー賞授賞式でのパフォーマンスのオファーを蹴って、スーパーボールのハーフタイムショーを選んだことによる報復との見解があり、これに激怒したウィークエンドは「グラミー賞は腐敗している」と猛烈批判し、他のアーティスト達も怒りを爆発させることとなったのです。中でもホールジーは、選考委員のコネや賄賂疑惑について暴露しており、もしこれが真実だとしたらウィークエンドの言う通りレコーディング・アカデミーは腐敗しきっていると言わざるを得ません。

2017年のアルバム「Scorpion」に収録された「God’s Plan」が最優秀ラップ・ソング賞を受賞したものの、大ヒットしたはずのアルバムがノミネートされなかったことに対し不信感を強めていたドレイクは、黒人アーティストが認めてもらえないことに以前から反発を強めていて「一生懸命働いて稼いだ金でチケットを買って、どんな時でもコンサートに駆けつけてくれるファンがいるなら、こんな賞(グラミー賞)はいらない!」と発言しています。

レノックス
レノックス

ドレイクは、このビデオの制作費(約1億600万)を全額寄付しちゃったんだよね!すごい太っ腹!!

その後ウィークエンドとドレイクは、グラミー賞をボイコットし続け、ドレイクに至っては「音楽と賞の間にある断絶に毎年ショックを受けるのはやめるべきだ」と、グラミー賞の廃止を呼び掛けています。華やかな舞台の裏で繰り広げられる主催者側とアーティストの確執は、いつか終焉する日が来るのでしょうか?


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